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歩き方を意識的に改善出来るのか?

こんにちは


健康的で動ける美脚作りを目指す


おくがわ整体院の奥川です。


さて、先日はお客様に質問で


「歩く時の足を踏み出す際にどれくらい足首を曲げたら良いのか?」


という質問を受けました。

その時はお客様に合わせて回答したつもりでしたが、後で考えるともう少し良い答えの提示方法があったかな?と思ったのと

最近はblogネタが無くなってきたので、blogに書く事にしました(過去記事見てもらえば分かると思いますが、大体の事を書いてますもんね)


しかし、そもそも歩き方を直すことは出来るのでしょうか?

出来る前提でつい話をしている事が多いですが、そこを少し突き詰めてみようと思います。

現在の運動科学の世界に大きな影響を与えたと言われています。

旧ソビエトの天才生理学者のであるニコライ・ベルンシュタイン


このベルンシュタインという学者は旧ソビエト時代の天才でしたが、条件反射のパブロフの論説を否定したがために

スターリンに嫌われて政治的に抹殺されたという話です。


恐らくですが…推測になるので話半分で結構ですけど

旧ソビエトの共産主義政権下ではパブロフの条件反射の理論は使い勝手が良かったのだと思います。


報酬を与えて、繰り返し訓練すれば条件反射的に行動が形作られる

軍隊などでは都合の良い考えですからね


実際に人の運動でもドーパミンなどが運動の報酬として発生する事で強化される仕組みもありますが、ベルンシュタインのいう通りで

そんなに単純な仕組みだけで、人の巧緻性と複雑性に富んだ運動制御は不可能でしょうね。


パブロフの考えは運動学習で言うなら、ちょっと厳密ではないですが「反復練習」ですね。

決まった動きを繰り返し行うという運動学習で、日本人が大好きな奴ですね。


さて、脱線してしまいましたが…

そんな事もあり、ベルンシュタインの論文などが公になるのに時間が結構掛かってしまったようですね。


もしかしたら、そのような事が無かったら現在の運動科学の発展も少し変わっていたかもしれませんね。

そのベルンシュタインが一般の人向けに、人間の運動について書いた「デクステリティ 巧みさとその発達」ですが




この書籍の中に歩行のような半ば自動化された運動を改善する事の難しさを表す話があります。


以下引用です。(長いです)


一匹の年老いた醜いヒキガエルがハンモックに寝そべっていました。

燦燦と輝く太陽の下では。色艶の良いムカデが気持ちよく踊っています。

ヒキガエルはぶつぶつとつぶやきながら、その様子を羨ましそうに眺めていました。

ムカデは陽気に器用に踊り、砂の上に複雑極まりない輝かしい模様を描き出していました。

輝く太陽がヒキガエルの目をじりじりと焼く一方で、ムカデのつやつやした背中は光を受けて、まるでダイヤモンドで出来たネックレスのようにキラキラと周り中に光彩を放っていました。

ヒキガエルは楽しそうなムカデが羨ましくなり、意地悪してやろうと思いたちました。ヒキガエルはさも感動した様子でニヤニヤしながらムカデのところにはい進み。

げろげろ鳴いてこう言いました。


「君はなんて器用で美しいんだ、もし僕にそんな事が出来たなら全てをなげうっても良いくらいだ。君の技の秘密を教えて欲しいな。君のダンスはとっても素晴らしいのだけど、僕には全く見当もつかない事がたくさんある。どうか教えて欲しい。23番目の足を上げている時に、18番目の足と39番目の足はどうなっているの?あと、14番目の足と一緒に動く脚はどれか?知りたいな。それから7番目の足を前に動かしている時に31番目の足はどれが支えているの?」


ヒキガエルはそう言うと、まるまるした顔ににっこりした笑みを浮かべて返事を待ちました。

ムカデは考え始めました、とはいえ、ヒキガエルの言った足が何をしているのか?一向に思い出せませんでした。


でもそんな事ではくよくよしませんでした、ムカデはヒキガエルに褒められ気を良くしていたので、ダンスの技を間近で見せてあげる事にしました。

そして自分でも、20何番目だか30何番目だかの足が何をしているのか?じっくり観察してみる事にしました。

足の動きなんて、今まで一度も考えた事が無かったのです。


ムカデは背筋がゾクッと寒くなりました。一歩たりとも動けなかったからです。

いくら動けと命令しても、脚はまるでマヒしたかのように知らんぷりを決め込むのでした。

それぞれの足を動かす順番に関して考えれば考える程に、脚はうろたえ、地面に張り付き、ガクガクと震えるばかりでした。

とうとうムカデは疲れ果てて背中からばったり倒れて、気絶してしまいました。


ベルンシュタインはこの物語の後に

一旦無意識に自動化された運動を、その動作中に意識的に改善しようという試みはほとんどが失敗に終わるだろう、と締めくくっています。


私たちも同じような事を時に行ってしまいます、よくあるのが今回のテーマの「歩行」ですね。


「歩行」「バランスリアクション」などの、既に無意識下に自動化されている動きが土台になって出来ています。


その既に自動化されている部分を意識しながら歩くという動作を練習すると、ベルンシュタイン曰く最悪の場合は「脱自動化」が起きてしまい


歩行動作自体が全体にぎこちない動きとなってしまいます。


お客様の質問である歩行時に踏み出す脚の「足首を曲げる」という動きもバランスリアクションと一緒に自動化された動きですので、それを歩行動作中に考えながら歩くというのは

やりがちな行動ですが「脱自動化」を招き、歩く際に余計に疲れる原因になります。


という事で、歩き方を変える事は可能ですが、歩き方を改善する際に「自動化」されている動作を改善する際には


歩く動作中にそれを改善しようと意識するのは「脱自動化」を招き、不自然な動きになる可能性が高いので気を付けた方が良いという話でした。


では、どうやって改善するのか?


それはおくがわ整体院に来たら教えますので、来てください。^^


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