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実は「踵重心」と言う言葉は間違った使い方だって知ってましたか?

★「踵重心」ってなに?本当の重心とはちがうの?

 

最近よく聞く「踵(かかと)重心」という言葉。歩き方や姿勢の指導で使われることも多いですよね。でも、実はこの言い方、ちょっと誤解されやすい言葉なんです。

 

 ●「重心」ってなんだろう?

 

まず、「重心(じゅうしん)」というのは、体の重さのバランスがちょうど取れている点のこと。人間でいうと、だいたいおへその少し下、骨盤のあたりにあるとされています。この重心は、動いたり体勢が変わると一緒に動きます。

 

一方で、「足圧中心点(そくあつちゅうしんてん)」や「床反力作用点(ゆかはんりょくさようてん)」というのは、足の裏にかかっている力の中心のこと。これは地面との接点にあって、姿勢のバランスを見るときなどに使われます。

 

だから、「重心」は体の中にあるけど、「足圧中心点」は足の裏にあるもの。名前は似ているけど、まったく違うものなんです。

 

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 ●じゃあ「踵重心」ってどういう意味?

 

「踵重心」という言い方は、実際には「体重がかかとのほうにかかっている感じ」や「足の裏の力がかかと側に集まっている」という意味で使われることが多いです。特にこんな場面でよく登場します。

 

- ウォーキングやランニングのフォーム指導

- 姿勢矯正やリハビリでの体の使い方

- 一般の人の何気ない会話

 

つまり、科学的に言う「重心(体の中のバランス点)」のことではなく、「足のどこに体重が乗っているか」という感覚的な話をしていることがほとんどなんです。

 

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●どうして問題になるの?

 

専門的に見ると、「踵重心」という言い方にはいくつかの問題があります。

 

1. **言葉の意味が混ざってしまう**

 「重心(体の中)」と「足圧中心点(足の裏)」がごちゃ混ぜになってしまうと、正しい動きや姿勢を理解するのが難しくなります。

 

2. **誤解しやすい**

 「踵重心」と聞いて「体の重心がかかとにある」と思ってしまうと、変な姿勢になったり、ケガのリスクが上がることも。

 

3. **動いているときはもっと複雑**

 歩いているときや走っているとき、体の重心と足圧の位置は常に動いています。たとえば、歩くときは最初にかかとが地面につき(足圧がかかと側)、その後つま先へと移っていきます。でも重心は、ずっと骨盤あたりを前に進んでいきます。

 

 つまり、「今はかかとで着地したから踵重心だ」と言ってしまうと、そのときの足の動きしか見ていないことになり、体全体のバランスを見落としてしまうかもしれません。

 

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 ●じゃあどう言えばいいの?

 

このような問題を避けるには、言い方を少し工夫するのが大切です。

 

- 一般の人には「体重がかかとに乗っている感じ」や「足の裏の圧が後ろ寄り」と説明する

- 専門的な場では「足圧中心点がかかと寄りにある」と正しく言い換える

 

言葉を使い分けることで、相手により正確に伝わり、誤解も防ぐことができます。

 

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●まとめ

 

「踵重心」という言葉は、実は「体の重心がかかとにある」という意味ではありません。正しくは、「足の裏でかかと側に体重がかかっている」状態を表した、ちょっと感覚的な言い回しなんです。

 

日常会話では便利な言葉ですが、専門的な場ではきちんと意味を分けて使うことが大切です。特に運動指導やリハビリなど、人の体を扱う仕事では、この言葉の使い方ひとつで、相手の理解や動き方に大きな影響が出てしまうこともあります。

 

だからこそ、言葉の意味をしっかりと理解し、相手に合わせて使い分けることが、正しい姿勢や動きを伝えるうえでとても大切なんです。

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