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40肩、50肩になりにくい身体の使い方

前回のコラムの続きです。

40肩、50肩は強い夜間痛を伴う、肩関節周囲炎の俗称です。

一般的に夜間に目が覚めるような疼痛と、動作制限としては「結髪・結帯動作」に制限が強く表れます。

今回は40肩、50肩になりにくい身体の使い方ですが、まず一般的に言われている事から書いていきます。


<一般的に言われている40肩、50肩になりにくい生活習慣>

✅肩回りを冷やさない

✅肩甲骨の面に沿って腕を使う

✅片方の肩ばかり下にして寝ないようにする

 

肩回りを冷やさない

これは肩関節周囲の筋肉の柔軟性や回復力が低下している人が、40肩、50肩を生じやすい為に、普段からなるべく冷やさず血行を良くする事が大切だと考えられてます。

肩甲骨の面に沿って腕を使う

肩甲骨の面に沿って腕を使う、と言われてもイメージが沸かないと思います。

肩甲骨の面の事を「スキャプラプレーン」と専門的には言うのですが、人間の上半身(胸郭)は丸みを帯びた形状をしている為に、胸郭に張り付いている肩甲骨も胸郭に沿うように少し角度を持ってついています。

この角度は立位のニュートラルポジションで約35度~40度


この肩甲骨が作る約35度~40度の面より後ろで腕を使うと「靭帯」「関節包」に捻じれを生じやすいと言われています。

その為に肩の安全を考えるなら、腕はスキャプラプレーンより前で使うことを心がけましょう。

スキャプラプレーンの簡単な調べ方は以下の動画をご覧ください。


片方の肩ばかり下にして寝ないようにする

寝る時に下になっている方の肩は、肩甲上腕関節が強い内転位になります。

強い内転位では、40肩、50肩の原因となりやすい「棘上筋」が寝てる間に強くストレッチされ、それが大きな負担となります。

その為に40肩、50肩は普段寝る時に下にする方の肩関節に好発しやすいと言われています。

普段からなるべく左右交互に横向き寝をするように注意しましょう。


<その他の注意すべき点>

姿勢

基本的に「肩甲骨」は「胸郭」に沿って動く為に「姿勢」の影響を強く受けます。

特に猫背の人は肩甲骨の位置が少し前に傾きますので「結髪動作」のように腕を頭の位置より高く上げる時には、上腕骨は肩甲骨の「烏口肩峰アーチ」という靭帯と骨で作られるトンネル部分に衝突しやすくなります。

つまり「姿勢」が良く、バンザイする時には肩甲骨が「後傾」している方が腕が上がりやすいし、肩を痛めにくいのです。


✅運動連鎖(身体の使い方)

実は一般の人には全く知られていませんが、頭より腕を高く上げる「結髪動作」のような肩の動きでも、前から腕を上げてバンザイする「屈曲」と横から腕を上げてバンザイする「外転」では、身体の使い方は大きく異なります。

前から腕を上げる「屈曲」では、バンザイする時に肩甲骨は背骨から少し外側にスライドする「外転」という動きを伴いながら動作を始めます。


横から腕を上げる「外転」では、バンザイする時に肩甲骨は背骨に近づく「内転」という動きを伴いながら動作を始めます。


この動き初めの肩甲骨の「外転」「内転」が上手く行えないと、屈曲では腕は「棘上筋」が強く伸ばされる「内転位」になりやすいです。

また外転では腕は「スキャプラプレーン」から後方に逸脱して、肩関節に強いストレスが生じやすいです。

 

<まずは姿勢から、続いて動きを改善する>

今回のコラムはいかがでしたでしょうか?

「あ、これ私もやってる!」と思った人は結構いらっしゃったのでは?

そういう方は少し日常生活で気を付けてみてください。

身体の使い方に関しては、まずは姿勢を改善するのが先で、その後で動きを修正するのが効果的な順番です。


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