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身体は取り換えの利かない、かけがえの無い大切なもの
こんにちは
例えば、車の手入れを怠っていたので、調子が悪くなった
腰痛 肩こり 首こり 不定愁訴を
整体&パーソナルトレーニングで根本からの改善を目指す
東京 新宿 おくがわ整体院 奥川洋二です。
さて、私の尊敬する先生はたくさんの素晴らしい言葉を残してくださいました(まだ生きてます)
その言葉の多くはその時には気づかなかった深い意味を、数年か後に気づかせてくれます。
その気づきは仕事をしていくうえで大変役に立っています。
そんな言葉の一つで
「皆さんは患者さんに自分の身体を大切に使う事を教えなくてはいけない」
「自分の身体は取り換えの出来ない大切な道具など思って使っていくしかないんだ、車と違って部品を取り換えたり、新しいのに乗り換える事は出来ないのだと」
という言葉があります。
その言葉を聞いた時は、まだ開業して1~2年の頃だったと思います。
『確かにセルフケアも大切だもんね』
くらいにしか当時の僕は考えていませんでした。
しかし、自分で仕事をしていくうちに
たくさんのお客様と接するうちに、その言葉の深さを知るようになって来ました。
身体の不具合を感じる、痛みを感じる方の取る対応方法というのは様々ですね。
例えば、整形外科に行く人もいれば、私たちのような民間療法に頼る方もいます。
中には良い意味で、自分でなんとかしようと思う方もいます。
しかし、中には悪い意味で自分でなんとかしようと思う人もいます。
どういう事か?
まぁ、自分の父親だと問題になりにくいので、私の父親を例えに出しますね。
私の父親はとにかく若い頃は体力もあり、身体能力も高かったようです。
私も「人間鯉のぼりで横向きに懸垂」という、なかなか普通の人だと出来ない技が出来ますが
父親にある日
こういう事が出来るようになった、と人間鯉のぼりの事を自慢すると
「あぁ、わしも若い頃はよくやったわ」と言うのです。
しかも、近くにいた母親も「あんた良くやってたなぁ」と言ってるのです。
父親はともかく、母親は真面目なので嘘を付かないと思うので本当なのでしょう。
ゴルフもプロ並みでしたし、小柄ですが腕力もありました、そして異常に運動神経が良かったのは子供心に覚えていますが…
まさかそこまでとは…と驚きました。(ちなみに私は結構訓練しました)
しかし、父親も亡くなる数年前に階段での転倒から脳内出血をしてしまい
手術して、数か月の入院後はだいぶと身体が不自由になってしまいました。
普通に立っていてもフラフラして、バランスが上手く取れないそうです。
で、ある時に帰省時に「自己流の体操を考えてやってみたけど、余計に悪くなった」と言うので
どんな事をしたのか?と聞くと、重たいダンベルを持ってぶん回すような
めちゃくちゃハードな体操をしているのですね。
常識的に考えると、普通に立つのにフラフラの人がダンベル持ってぶん回す運動は意味ないですよね。
え!?何で?
とか
気合があれば大丈夫!と思った方は危険ですよ!
だって、よく考えてみてくださいね。
歩くのが精いっぱいの人が、早く走れるようになりたいと
急に走るトレーニングして効果ありますか?
まず、歩く練習から始めるか?もしくはそれ以前の事から始めるのが常識的ですよね?
うちの父親も、若い時の私もそうかもしれませんがある意味で過信しているのと
「身体を取り換えの利く道具」くらいに思っているのですね。
身体が怠けているから、しごかなくてはいけない!という考えです。
しかし、これはよくよく考えてみたら身体が怠けているのではないのですよね。
うちの父親や私の「心が怠けている」のです。
身体には罪は無いんです。
なのに体に罰を与えるように、きつい事をすれば改善すると思う。
ですが、これは結構お客様の中にもたくさん見られるケースなんです。
病院や整体院などにはいきたくない、自分でなんとかする
鍛えれば何とかなる!という方
残念ながら男性に多いですけどね。
結局うちの父親のケースは、私が首の動きを良くしたら改善しました。
頭蓋骨の付け根の筋肉と眼球や前庭器官は共に協力して、平衡感覚に関係しているので
入院中にずっと寝ている生活で、その辺のメカニズムが狂ったのですかね?
まぁ、ともかく筋トレとは関係無かったみたいです。
根性論を否定する訳では無いのですが、ケースバイケースですよね。
例えば、車の手入れを怠っていたので、調子が悪くなった
動かしてなかったのが原因だ!エンジン吹かせば直るわい!
っていう人いませんよね?
恐らく整備士さんか何かに点検をお願いすれば、部品を一つ一つ点検してから、もし使ってない事が原因ならそうするでしょうが
人の身体の場合は結構うちの父親みたいに、鍛えれば治るわい!という人が多いです。(特に男性)
そういう人は身体を使い捨ての道具のような感覚で使っているのでしょうね。
まぁ、ともかく身体に対する愛情が足りないのは事実です。
例えば、皆さん大切にしている道具や物はありますか?
私の場合は大昔の彼女に貰ったルイ・ヴィトンのキーケースがありますが、大切に使っていますので
すっかりボロボロで、ヴィトンのマークの見えないくらいになっていますが^^;
やっぱり愛着がありますので、使えるうちは新しいのを買おうとは思っていません。
しかし、大切に使っていない道具だと古くなると
「ボロくなってきて格好悪いから、新しいの買おうかな?」
とか思いますよね?そうなると新しいのを買う事ばかり考える
身体も同じところがあります。
人によっては身体の調子が悪くなってくると
「もうこんな身体は取り替えちゃいたいよ!」
と怒っちゃう人もいます。
そうすると、人の痛みのメカニズムは「感情」特にネガティブな「不安」や「怒り」の感情と密接に関係してますので
↑過去記事参照
痛みも余計に強くなる事も十分に考えられます。
また、毎日大切に使っているものは、何か変化があるとすぐに気づきやすいというメリットもあります。
タクシーの運転手さんは、見ていると暇な時間帯があればいつでもどこでも洗車したり、メンテナンスしたりしてますよね。
多分お客さんが下りた後に車内をチェックすると、普段がピカピカなのでゴミがほんの少し落ちていてもすぐ気づくと思います。
しかし、うちの父親なんかは絶対に自分で洗車しない人だったので、時には一年くらい洗車しない事もありました
亡くなる少し前に帰省した時に、車に乗ろうと思って駐車場に行ったら「これ廃車するの?」と言いたい状態になってました
車内もゴミだからけで、こうなると今更ちょっとやそっと汚れても全く分かりません^^;
自分の身体も同じくです。
普段から気を付けている人なら
普段から大切に使っている人なら
少し調子が悪くなった時点で気づきますし
悪くなってしまったきっかけも何となく分かっている人が多いです。
しかし、普段から使い捨ての道具のように使っている人は
問診で悪くなってしまったきっかけ、ご自分で心当たりがありますか?と聞くと
「気づいたら急に悪くなっていた」
「全く分からない」
と大体の方が言っています。
「急に悪くなった」
外傷でもない限り、余程でないかぎり、急には人間悪くなりませんからね…
朝起きたら腰に激痛が!って場合は大体外傷ですから
皆さん少しづつ悪くなっているのでしょうが、その過程に気づいてないのでしょうね。
そうなると、病院などに行っても同じ事聞かれますが(きっかけは何ですか?など)同じく「よく分からない」「急に悪くなった」と言うので
お医者さんも余りに情報が少なすぎて困ってしまい、レントゲンにも何も映らないから、とりあえず痛み止め
となってしまう事も考えられます。
そのような諸々も含めて、やはり「人の身体は大切に使っていくしかない」と言うのが事実なんですよね。
感情の話や、人の痛みのメカニズム、症状や身体の状態に対する認識、なども含めて
身体を長い期間痛みなく使うには、取り換えの利かない大切な道具だと思って使っていくしかない。
また、そのように使う事で痛みなく生活できる以外にも大きなメリットがあります。
年をとってしまえば誰でもある程度は身体にガタが出てきますが
衰えも所々で見えてきます。
しかし、大切に手入れをしているビンテージカーが、新ピカの最新のスポーツカーと違った魅力があるように
大切に自分の身体を使ってきた人には、自分の年老いた身体も愛せる素晴らしい人生が待っているのではないでしょうか?