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患者さんのどんな痛みでも取れるゴッドハンドよりも、患者さんに痛くならない方法を教えられる先生の方がカッコいい
こんにちは

腰痛 肩こり などの 不定愁訴を
整体 & パーソナルトレーニングで根本からの改善を目指す
東京 新宿 おくがわ整体院 奥川洋二です。

さて、今回の話は僕が独立前にある有名な整体の先生に4年間技術を教わっていた頃のお話です。
その先生は施術家としてとても有名な方でしたが、割と変わった話をされる人としても業界でも有名でした
「ゴッドハンド」施術家として業界で有名な先生だったので
著書はたくさんありますし、施術家としては当時では珍しく専門家向けの技術指導DVDなども発売していました。
テレビにも出てましたよ!
でも、リハーサルと全然違う事するし、嘘ばかり言ってるから嫌になったと、二度と出なくなりましたが…
通称O先生としておきたいと思います。
さて、O先生は当時は変な話をするなぁ、と感じていた話でも
時が経つと本当にためになる素晴らしい話だったと思う話が多い人で
技術の師でもありながら、心の師でもあります。
むしろ、技術的な事を教えてくれる人はたくさんいますが
仕事をする上での心構えなどを教えてくれる先生というのは少なく、O先生のような人は得難い存在なのです。
今回はあるセミナーの休憩時間に受講生の皆を集めて全員を「きょとん」とさせた話をしたいと思います!
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あるセミナーの休憩時間に受講生を集めてO先生が突然話始めました
「皆さんはどんな痛みでも取れるゴッドハンドに憧れて今日のセミナーに来ましたか?」
O先生は、それこそどんな痛みでも取れるゴッドハンド治療家と噂される人だったので、みんな頭の中で
「もちろん!憧れてきました!」
と思ったかもしれません。
するとO先生は
「でもね、どんな痛みでも取れる先生より、痛くならない方法を教えられる先生の方が凄いんですよ!」
「だって…」
「そもそも痛くならないんだもん!」
すると全員「きょとん」となってしまいました。
「痛くなってから治すなんて遅いよねぇ!」
と言って豪快に笑っていました!
その当時は言わんとしている事は何となくわかるけど…「変わった人だなぁ」と思っていましたが
今では本当に身に染みる話です。
何故なら、僕たちのような仕事の本質は「予防医学」だからなんですね。
悪くならないように予防するお手伝いが本質です。
実際に法律上も僕たちが治療するという言葉を使ってはいけない事になっています。
もちろん、施術で身体のバランスを整える事で、その場ですぐに痛み、違和感が消失するケースは多々ありますが
本質的には予防医学である事を忘れてはいけないのです。
治療というよりは身体のバランスを整え、その人の持っている自然治癒能力を高めて症状を改善に導くことが実際であり本質です。
ですが、こういう仕事をして「先生」だなんだと呼ばれるようになるとエゴが段々生じて来て
「俺が治すんだ!ゴッドハンドになって全ての痛みを取り除く!」
という考えになっていく人は結構います。
ちなみにO先生は
「ゴッドハンドと呼ばれて喜んでいる人は終わってるよ」とも良く言ってました!
その話は別の機会に…
そして、ゴッドハンドになりたいと思った人は本質からドンドン外れていって行く人が多いです。
そんな中にはインチキまがいの技術を行うようになった人もいました。
また、中には詐欺まがいの商売をするようになった人もいました。
でも、僕はO先生の話を聞いていて良かったです。
今のところまっとうな仕事を出来ていると思います。
こういった話をしてくれる先生というのは、今の時代は本当に得難いと思います。
私自身もセミナー講師の仕事をする事がありますからよく分かりますが、教える仕事も結局は客商売のところもありますので
人によっては受講生に気に入られるために耳障りの良い話や、気持ちが良くなる話、をたくさんする先生もいる事でしょう。
ですが、O先生のように「耳が痛くなる話」「現実的な話」というのをしてくれる先生は本当にいないです。
しかし、そういう話こそが本当に価値ある話なんですよねぇ…
そして、社会全体の事を考えるとしなくてはいけない話だとも思います。
実際に私もO先生以外にもたくさんの先生に技術を教わりましたが、技術を教えてくれる先生はたくさんいても
仕事においての心構えなどを教えてくれる先生というのはO先生を入れて本当に少数でした。
中でもO先生の話は5年後、10年後にボディーブローのように響いてくる話が多いです。
今回の話のように一見分かりにくい話し方をして、自分たちに考えさせるようにしているのか?インパクトを与えて忘れないようにさせているのか?
分かりませんが…でも、多分わざとでしょうね。(その為に周りでは変わった先生と良く言われてました)
そういうところにも僕は愛情を感じますね。
本当に良い先生に僕は出会えたんだなぁ、と時間がたつほどに感じますね。
自分もそんな人間になりたいと思いながら、日々精進しています。