前回は「40肩、50肩」の原因になりうる「インピンジメント症候群」について説明しました。
前回のコラムを読んでない方はこちらから
有難い事に「いいね」のclickもたくさんいただいたので、このトピックに多くの人が関心を持っているんだな、と感じる事が出来ました。
《そもそも予防と日常生活動作の改善が大切》
そもそも論で言うと「40肩、50肩」になる人の多くは以前から肩に違和感を感じている方が多いと言う話をしました。
✅腕を挙げる時に違和感がある
✅腕を回すとゴリゴリと音がする
それに加えて、寝起きに下にしている肩に違和感を感じるというのもインピンジメント症候群の可能性があります。
というのも、インピンジメント症候群で衝突を繰り返し、炎症を起こす「棘上筋」は横向きで寝ている時に下にしている肩でストレスが加わりやすいのです。
以上にあげた違和感がある方は「インピンジメント症候群」の予備軍と思っていただいても良いかと思います。
スポーツをしている人で、特に
「スウィング動作」
「オーバーヘッド動作」

が多い人で上記の違和感がある人は「黄色信号」と思って特に注意をすべきです。
なぜなら競技特性上で肩関節にインピンジメントのストレスが加わりやすいからです。
実際に当院でインピンジメント症候群が悪化している方では該当するようなスポーツをしている方が大半です。
通常の日常動作でも「洗濯物を干す」「着替えをする」「髪を結える」などの動作で違和感を感じる人は注意が必要です。
前回もお話しましたように肩は「40肩、50肩」のように重症化してしまうと早期の改善は難しく、早くても半年で長いと2年間は痛みが続くと言われています。
腰や膝、首など他の関節も同様ですが、特に肩関節に関しては予防と日常動作の改善が重要である事は言うまでもありません。
《インピンジメント症候群の予防のポイントは3つある》
ここからはやや主観が入ります。
とはいえ、機能解剖学の事実に沿った話なので安心してください。
また、私は肩の障害が多いと言われる「水泳」に関わる仕事を行っていました。
オーバーヘッド動作をひたすら繰り返すので、肩の違和感を感じる事も何度かありましたし、その予防や改善について理論だけでなく実践してきています。
加えて、スポーツクライミングの野口啓代選手…
も診た事ありますが(笑)そのライバルだった池田結花選手を長い期間サポートしていた事や多くのクライマーのケアをしてきた…今もしていますので「肩関節」についてはかなり極めているつもりです。
それだけ前置きしておいて
私のやや主観もありますが、インピンジメント症候群の予防としては以下の3つが考えられます。
✅姿勢
✅スキャプラプレーンの意識
✅アウターマッスルとインナーマッスルの相互関係
今回はこの3つで一番直感的にも理解しやすいと思われる「姿勢」について説明します。
《悪い姿勢はインピンジメントが起こりやすい》
ちなみにですが…インピンジメント症候群は何も「肩(厳密には肩甲上腕関節)」だけに生じる訳では無いです。
股関節でもインピンジメント症候群はありますし、足関節にもあります。
そのどれもが「姿勢」が悪い方が生じやすいです。
結局のところは障害予防の第一は「姿勢」の改善なのです。
肩関節のインピンジメントに関しては不良姿勢の一つ「猫背(円背)」で好発しやすいと言われていて、整形外科リハビリテーションで有名なRenne Caillietの「軟部組織の痛みと機能障害」には、その予防の第一として姿勢改善を挙げています。
これは肩関節挙上時に(つまりバンザイする時に)円背姿勢の人は良い姿勢の人に比べて、上腕骨の大結節が肩峰で衝突しやすくなるからだと説明しています。
実際に皆さんも自分でわざと「猫背」を作ってバンザイすれば一目瞭然だと思います。
途端にバンザイしにくくなりますよね?*もともと違和感のある人は無理しないでくださいね!悪化してしまいますので(;^_^A
と言うことでインピンジメント症候群の予防の第一は「姿勢」の改善になります。
というよりも「良い姿勢」は関節の健康だけではなく、何においても健康作りの重要な要素です。
内臓や神経が正しく働くにも良い姿勢の方が有利です。
また「メンタル」を考えても良い姿勢の方が有利です。
その辺りの詳しい事は当院のオリジナルデジタル教材「姿勢改善&体幹トレーニング徹底講座」で詳しく説明していますの⇩で、興味の出てきた方は以下のページをご覧ください。
姿勢改善&体幹トレーニング徹底講座
⇩プロモーション動画
では、次回は「スキャプラプレーンの意識」について説明していきます。
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