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いわゆる「NIKE」などの「ハイテクシューズ」は厚底の傾向があります。
10年ほど前には「ボーントゥラン」という、裸足で走る民族の健康な身体と驚異的なスタミナを前面に押し出し大ヒットした書籍があります。
同書籍内では厚底靴は「クッションが痛みを胡麻化すが、実際には膝には悪い」と主張して、NIKEに対する「ネガティブキャンペーン」のように批判して「五本指シューズ」である「ビブラムファイブフィンガーシューズ(下写真)」を一斉に流行らせた過去があります。
当時は整体院に「NIKE」のマーケティングなどを行っていた方がお客様でいらっしゃったので「やれやれ…マスコミは話題さえ作れたら何でも好き勝手言う」と仰っていたのをよく覚えています。
ベアフットに関しては現在はすっかりブームは過ぎ履いている人は見かけませんが、実際のところは効果があったのでしょうか?
また、厚底靴は本当に膝に悪いのでしょうか?
厚底ハイテクシューズVS薄底ローテクシューズ
ベアフットや日本の足袋のような薄底で柔軟性に富んだ靴を「フラットフレキシブルシューズ」と言います。
フラットフレキシブルシューズはNIKEに代表される厚底のクッションが敷かれたハイテクシューズに対して「足内在筋群」という、足裏のアーチをサポートする小さな筋肉群を鍛えると言われています。
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しかし、フラットフレキシブルシューズは厚底のシューズに比べて、歩く際には足首の大きな可動域を必要とします。
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また、厚底ハイテクシューズは足のサポートがしっかりしているので安定する事で、フラットフレキシブルシューズに比べて膝関節症の疼痛を緩和する効果があるようです。
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まとめ
✅ベアフットのような薄底のローテクシューズ(フラットフレキシブルシューズ)は足裏の小さな筋肉を鍛える効果がある。
✅フラットフレキシブルシューズは厚底ハイテクシューズに比べて、歩行時により大きな足の可動域を必要とする
✅厚底ハイテクシューズは多くがサポートがしっかりしている事で膝の動揺を抑えて、変形性膝関節症の痛みを抑える効果がある。
以上の事から、どちらかというとウォーキング、ランニングの中上級者で基礎体力のある人間は「フラットフレキシブルシューズ」から受ける恩恵が大きいようです。
逆にウォーキング、ランニングの初心者や低体力者には「フラットフレキシブルシューズ」は少し早いのかもしれませんね。
そういう方はNIKEに代表されるサポート機能がしっかり備わった厚底クッションのハイテクシューズが良さそうです。
このコラムを書いている時に、私の亡くなった父親はゴルフが上手(ハンデ11)だったのですが、ゴルフクラブは
「上手な人のクラブはシャフトが固くてスウィートスポットも狭く素人には扱いにくい」
「素人の使うクラブはシャフトがしなってスウィートスポットが広く素人でも真っすぐ飛ぶし飛距離が出るが、上手な人にはしなり過ぎて扱いにくい」
と言っていたのを思い出しました。
つまり…誰かにとっての長所は、同時に反対側に立つ誰かにとっては短所である事が往々にしてよくありますよね。
フラットフレキシブルシューズの柔軟性や直接の接地感覚がプラスになる人にとって
その真逆のNIKEのようなサポートがガッチリしていて厚底の衝撃吸収素材のソールがついている靴はマイナスになる事があり得ると言う話です。
つまり、究極のシューズは無く
その人の能力や目的に合わせて道具を選ぶ事が肝心だと言う事ではないでしょうか?
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