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*この投稿はおくがわ整体院のお客様限定メルマガコラムの転載です。
そもそも整体って何なの?
整体と言う言葉をWikipediaで調べると「日本語では主に手技を用いた民間療法、代替医療を指す」とあります。
また、日本では整体とは「体の筋骨を整える治療技術を指す」とあり、東洋医学発祥の地である中国での整体の意味は「全体、総体、または全体観(ホーリズム)という概念を意味」とあります。
どちらにしても「身体を整える」ものです。
私の考え方は東洋医学発祥の地である中国の定義に近いですね。
「人間全体を見た健康観」です。
私が主宰しているセミナー事業もトータルコンディショニング研究会という名称ですが、それは「人間をトータルに見て、健康とは?を考える」というコンセプトからです。
また、皆さんはご存じないと思いますが、そもそも日本の法律上は「治療」という言葉は「医師以外は使ってはいけない」のです。
なので、私は整体は「治療」では無いと常々発信しています。
私は2013年に日本関節コンディショニング協会の理事長である矢野啓介先生と共著で「腰痛改善BOOK」という書籍を執筆していた時に
矢野先生の執筆パートで「理学療法」「整体」「接骨」「按摩指圧マッサージ」「カイロプラクティック」「鍼灸」etc
代替療法が色々とありますが、どの職種が「どんなサービスを提供するのか?」「何が得意なのか?」などを説明するページを作りたいと言う事で「整体」のパートを説明する時に「奥川先生、整体は身体のバランスを整える治療家と説明したら良いですか?」と、恐らく矢野先生的には私に気を使って聞いてくれたのでしょうが…
大先輩だし、ここは空気を読んで「それでオッケーです!あざーす!」と二つ返事で回答しようかな?とも思いましたが
「申し訳ないですが、整体師は治療家では無いので…」と訂正していただいた位にそこは拘っています。
矢野先生は「???」という顔をしてましたけどね(笑)
そこに拘る理由は2つあって
① 法律上の問題とお医者様との協力関係を築く為
代替医療の先生の中には自分の仕事に誇りを持っているのか?お医者様に対抗したいのか??治療と言う言葉を使う方が時々いらっしゃいますが、僕はお医者様と良い関係を代替医療は築築く為には使わない方が良いと思っています。
社会の事を考えても、代替医療は西洋医学と協力関係を築くべきだと思っています。
後に述べますが、そもそも代替医療で実際的に治療は出来ないと思っています。
② 身体を整えるという仕事に誇りを持っている
同業者の中には「私が患者を治すんだ」と思っている方がいますが、私の師と尊敬する及川先生は
「自分たちが患者さんを治していると思うようになったら、皆さんの施術家生命は終わりだよ」
とよく言ってました。
今にして思えば全くその通りですね。(法律的にも)
もしかするとガッカリされる方もいらっしゃるかも?知れませんが、代替療法で出来る事は身体の「筋、骨格」「神経」「身体の使い方」などのバランスを整えて、元々人間の持つ「自然治癒能力」を高める事に尽きます。
それは私見ではありますが、整体師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、あマ指師、接骨、なんであろうと代替医療は全て同じと思っています。
とはいえ、このメルマガを受信されている方の中にも「整形外科で改善しなかった症状がおくがわ整体院で改善した」と言う人は沢山いらっしゃると思っています。
それ位に人間の自然治癒能力は凄い力を秘めているのです。
私はそんな人間の元々持つ素晴らしい能力を引き出す事に全力を尽くす、整体という仕事に誇りを持っています!
《痛みの原因を治すという幻想?》
先日はお客様で左の肩が良く凝って、慢性的な痛みを感じている方がいらっしゃいました。
その方が施術中の質問でこういう事をおっしゃいました。
「左と右の肩ではやっぱり痛い方の右の方が悪いんですよね?」
この質問への回答は「そうですね!右の方が筋肉も緊張しているし、右が悪いですね」と返ってくると予想したと思います。
しかし、私は考えに考えた末に下のように説明しました。
《ダルマ落としが崩れかけている時に…》
「ダルマ落としがあったとして、一番上の頭の部分が右にズレていたとしますね。」
「それが原因で右の肩が疲れやすいとして、右がズレて出っ張ってるから悪いと言えますけど、逆に左がへこんでいるから悪いとも言えますよね?」
「どちらが悪いと言うよりは、バランスが崩れていると考えた方が良いのですよ」
と言いました。
私たちの世界ではこういう言葉があります。
「痛みは原因でなく結果である」
そうなんです、病院で原因がはっきりしないような痛みや違和感の大半は、身体のバランスが崩れている事や使い方の結果なんですね。
整形外科などお医者様の「治療」の対象になる「原因」のハッキリしている症状と異なり、整体院などの代替医療で取り扱う症状は「原因」がハッキリしない事が多いです。
原因がはっきりしている症状はお医者様が得意なんです。
例えば、腰椎の椎間板の髄核が飛び出しいる(腰椎椎間板ヘルニア)のが痛みの原因なら、飛び出しているのを切除したら早いですよね?
逆に飛び出している物を何とかしないと、それが本当に原因ならば痛みは取れないですよね?
しかし、逆に痛みの原因がはっきりしない場合には、身体の「自然治癒能力」を最大限に高めるようなアプローチが有効なんです。
ちなみに…腰椎椎間板ヘルニアでも、ヘルニアが取り除かれても痛みは持続するケースがあり…そういうお客様も良くお越しになります。
私はその場合はヘルニア以外に痛みの原因がある症状だと考えてます。(非特異性腰痛)
そして、自然治癒能力が上手く働かない原因の多くは、身体のバランスが崩れている事です。
「いやいや、とは言っても右の筋肉が固くて痛いのなら、右が悪いで良いんじゃないの?」と思われる方もいるでしょうが…
確かにこのようなケースで右の筋肉をほぐすと痛みは一時的には改善するかもしれませんが、根本的な改善と言えるでしょうか?対処療法となってしまいますよね?
だって、ダルマ落としのバランスは崩れたままですからね。
「身体のバランスを整えて、自然治癒能力を高める」と聞くと大した事じゃないような感じがすると思いますが、実際には根本改善とは正に身体のバランスを整える事以外にあり得ないと思います。
そういう事もあって、私は整体という仕事に誇りを持っています。