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前回は「筋肉が強くなる」「関節が柔軟になる」ことだけで身体の動きが変わる訳じゃない。
むしろ、身体の動きが改善しても定着させるには「運動イメージ」が改善しないといけないという話をしました。
この事について、まず少し厳密に説明して、その後に大雑把に説明します。
<運動イメージの改善が運動学習に必要である少し厳密な説明>
現在の運動学習の理論で「内部モデル」という「自分の運動イメージ」を運動前に事前に脳内に作って運動プログラムを作成し、それを筋などに出力して運動を実施する。
そして実施の結果のフィードバックを基に更に内部モデルを修正するという方法を用いていると考えられているからです。
<運動イメージの改善が運動学習に必要である少し大雑把な説明>
「筋力や柔軟性が向上しても、その結果生じる自分の動き変化に気付けないと改善は余り定着しない」と言う事です。
つまり、違いに気付けないと変化は少ないと言う事です。
<厳密な説明と大雑把な説明の両方をした理由>
今の世の中は「難しい事を簡単に説明する」のが素晴らしいとなっていると思います。
その結果として何事も省略して簡単に説明しようとしてしまいます。
それが更に伝言ゲームのように人から人へと伝わっていくに従い…
最終的には「ほとんどデマ」になってしまってる事が多いからです。
むしろ、ほとんどデマでも良いから「分かりやすい」「商品購買に繋がれば良い」と考える人達も実際にいます。
悲しい話ですが、私の過去に所属していた組織の「上の方の人達」は「嘘じゃないけど、本当じゃない話をしないと儲からない」と公然と言ってました。
そういう考えの人は結構商売が上手な人に残念ですけど多いと思います。
しかし、それを1億人、また世界中の人間で行うと大変な世の中になってしまうと僕は考えているのです…
と言う事で、真面目な僕は今回も参考文献と脳科学辞典Wikipediaの「内部モデル」のリンクを記載しておきます。
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内部モデル 脳科学辞典 Wikipedia
参考文献を乗せるのは、万が一に私の解釈が間違っていると言う事もあり得ますので、それも考慮しての事です。
さて結構脱線しましたが、現在の運動学習の理論では「運動イメージ」を改善する事が重視されていると説明しました。
これは理論だけの事でしょうか?
私たち自身では実証出来ない事なのでしょうか?
実は既に世の中には「運動イメージ」の変化を意識させる事で動きを改善させるメソッドがたくさん存在しています。
有名なのは…
「フランクリンメソッド」「アレクサンダーテクニーク」「フェルデンクライスメソッド」「ロルフィング®」などですが…他にもたくさんあります。
この中でもフランクリンメソッドは特に「運動イメージ」を使ったエクササイズを前面に押し出したメソッドだと思います。
例えば…骨盤を前後に倒す運動「骨盤前傾、後傾運動(ペルビックチルト)」を行っているとしましょう。
以下の動画を参考にしてください。
動画はバランスボールを使っていますが、皆さんは椅子などで行ってください。
バランスボールがある方はもちろん、バランスボールを使っていただいても結構です。
実は骨盤は前傾する時には座った時に椅子に当たるお尻の骨である「座骨」は左右に広がります。
逆に後傾する時には座骨は左右の距離は縮まります。
下のイラストはその動きを図示したものですが、このイラストの動きを覚えてください。
いかがでしょうか?イメージすると何か変わりましたか?
同調圧力みたいになるのでどうなるか?は敢えて書きません。(笑)
このように自分の身体を通じて、自分の身体や心について学ぶ事を「ボディーワーク」と言います。
科学は「実験」「解剖」を通じて「身体」を探求しますが、ボディーワークは「体験」を通じて「自分自身の身体」を学びます。
ちなみにフランクリンメソッドを実施している事で有名なのは「シルクドソレイユ」になります。
元オリンピック選手なども多数参加しているという、あの超人的な曲芸を行う人達ですね。
公式にも発表されている事ですし、私の知人が舞台裏に招待される機会があって開演前の練習風景を見ていたそうですが、実際に1時間ほど行っていたと言ってました。
業界内での噂話では、最近引退した羽生結弦選手も実践していたと聞いた事ありますが、これは裏取りが出来てませんので…参考程度に
そんな一流アスリートも実践する「運動イメージ」を使ったメソッドですが、こういうのを知ると一部の人は
「凄い!奇跡のメソッドだ!」と感激してしまうかもしれませんが、当然弱点もあります。
つまり、メリット、デメリットがどんなものにもあると言う話です。
次回はそういう話をしたいと思います。
<ボディーワークに関して詳しく知りたい方におススメの参考文献>
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