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奥川です。
前回、前々回と肩(肩甲上腕関節)を正しく使うコツが4つあるという話をしました。
まずは①肩に違和感がある時はストレッチをしない方が良い。
という話を前々回は致しましたが
前回は②肩甲骨は動けば良いという訳じゃない、について解説していきました。
今回は残りの2つを一気に説明したいと思います。
まず、肩(肩甲上腕関節)は「安全に動かせる可動域」「傷害を起こしやすい可動域」があります。
これをまず知るだけで、だいぶと障害の発生率は変わってくるはずです。
また、注意して生活してもらうと、40肩、50肩を経験する事無く生活できる可能性が高いです。
ズバリ!安全に肩を動かせる可動域は「スキャプラプレーン」に沿って腕を動かせる可動域になります。
いきなり難しい!という声が聞こえそうなので、動画なら分かりやすいと思いまして
過去に理学療法士の梅澤先生と撮影した動画の該当部分の切り抜きをご覧ください。
「スキャプラプレーン」とは?直訳すると「肩甲骨面」です。
ちょっと分かりやすくいうと、胸郭に肩甲骨が張り付いている面の事です。
スキャプラプレーンは前額面(身体に対して真横の線)に対して大体35度~40度くらいの角度で胸郭についています。
腕を動かす際にスキャプラプレーンより前で動かす分には安全と言われています。
スキャプラプレーンより後ろで動かしてしまいますと、第一回で「肩関節は不安定」とお話しましたが、不安定性を補完する「靭帯」「関節包」「腱板」などの組織が捻じれてしまうと言われています。
つまり、スキャプラプレーンより後ろで腕を動かすと、組織が捻じれながら動かされ障害が起こりやすいと言われています。
「35度って言われても分からない!」と言う方もいらっしゃると思います。
動画で説明しました「ハンモック姿勢」という、頭の後ろで楽に手を組む時の腕の角度が「スキャプラプレーン」でかつ「ゼロポジション」と言われています。
ゼロポジションとは「腱板(肩のインナーマッスル)」の張力が釣り合っているポジション…これも簡単に説明すると肩の筋バランスの最適な場所なんです。
ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ハンモック姿勢の時に腕の角度が人によっては「閉じている」「開いている」と差が結構多いと思います。
これは「体幹能力」によって差が出てくるんですね。
特に体幹の中でも上半身の能力によって差が出てしまうんです。
「猫背」で「胸郭」が固くなっている人は、ハンモック姿勢では腕が閉じがちです。
逆に胸を張る癖のある方はハンモック姿勢で腕がかなり開いているかも知れません。
ですので、35度~40度が平均値ですが、個々人の体幹能力に合わせて微妙に変わりますから、自分にとってのスキャプラプレーンを探すために「ハンモック姿勢」を勧めるトレーナーは結構多いです!
猫背の方が不意にバンザイすると肩に違和感を感じやすいのは、このスキャプラプレーンが狭いから言うのも一つの理由になります。
あとは、背中が丸まっていると肩甲骨の「肩峰」と「上腕骨大結節」がぶつかりやすいのも理由の一つです。
最後は「インナーマッスルとアウターマッスルのバランス」ですね。
身体の筋肉は大きく分けて「インナーマッスル」「アウターマッスル」があります。
「インナーマッスル」は多くが深層にある筋肉であり、筋肉には関節を「動かす役割(モビライザー)」「安定させる役割(スタビライザー)」がありますが、主に「安定させる役割」をします。
超大雑把に説明しますと
✅インナーマッスル→動き小さい、疲れにくい、関節をズレないようにする働き有
✅アウターマッスル→動き大きい、疲れやすい、関節がズレやすい働き有
詳しい理屈が知りたい方は以下の動画をご覧ください!
従前より説明しているように、肩は動きやすい反面で「不安定」な構造の関節です。
その為に「インナーマッスル、アウターマッスル」のバランスが崩れると容易に、動く際に関節面がズレてしまいます。
ズレると言っても脱臼する程ずれる人は少ないですが…関節の中心(求心位)で動かず、グラグラしながら動く事で周りの組織とぶつかってしまう事が良くあります。
その繰り返しで炎症が起きて、違和感、痛みの原因になる事があります。
また、それを繰り返すと「40肩、50肩」になってしまう可能性が高まります。
野球選手がよく「ゴムチューブ」でリハビリしてますよね?
あれは肩のインナーマッスルを鍛えているんですよね。
おくがわ整体院では緊張したアウターマッスルをまず整体で「緩めて」その後にインナーマッスルを徒手的にリハビリする方法を取っています。
もちろん、自宅で出来るインナーマッスルトレーニングも希望される方には指導させていただきます。