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身体感覚を良くする使い方と、悪くする使い方
こんにちは
健康的で動ける美脚作りをサポートする
東京 新宿 おくがわ整体院
院長の奥川です。
 
当院にお越しのお客様なら「身体の感覚が鋭くなっていく事」「自分の身体の事が分かる事」が真の「根本改善」への近道とご存じだと思います。
 
そのような自分の身体と語り合いながら、身体の使い方を上手にしていくワークの事を
「ボディーワーク」と言います。
 
世間で一般的なのは「ピラティス」「ヨガ」などですが、実は世界3大ボディーワークというものがありまして、その中には「ピラティス」「ヨガ」は入っていません。
 
世界3大ボディーワークとは…
・アレクサンダーテクニーク
・ロルフィング
・フェルデンクライスメソッド
 
の3つを指します。
 
この3つのメソッドは未だに世界中で多くの人に愛されているのはもちろん、その要素を取り入れて今なお新たなメソッドが開発されている…いうなれば、現存する多くのボディーワークの源流のようなメソッドなのです。
 
まぁ、日本ではそんなにメジャーでは無いので、ネットでも余り情報は出てこないと思いますが…
なんか凄いメソッドなんだ、くらいに思っていただけると幸いです。
 
今回は当院のお客様の中で「なかなか自分の身体の感覚がよく分からない」という方にフェルデンクライスメソッドの創始者であるモシェ・フェルデンクライスが身体の感覚について話した逸話をお伝えしたいと思います。
 
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「愚か者は感じる事が出来ない」とヘブライの賢者は言った。

感じ取らなければ、違いに気づく事は出来ず、だから当然ある行動と別の行動を見分ける事も出来ない。
 
この識別する能力が無いと、学ぶ事は出来ないし、絶対に学習能力を向上させる事も出来ない。
 
しかし問題は単純ではない。
 
何故なら、人間の感覚は、それを生み出す刺激と密接に繋がっており、刺激が小さい程に識別力は細やかになる。
 
鉄の棒を持ち上げている時には、ハエがその棒に止まっていても、飛び去っていっても、その違いは感じ取れないだろう。
 
ところが一枚の羽根を手にしている時には、ハエが止まっているか?いないか?の違いは、はっきり感じ取れる。
 
同じことは全ての感覚について、つまり、聴覚、視覚、味覚、嗅覚、温覚、冷覚について言える。
 
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この後の文章には、だから自分の考えたワークは動きの努力が出来るだけ少なくてすむように考えられているんだ…といった内容の文章が続きます。
 
つまり、外部からの刺激が少ないほどに、内部で感じる感覚が分かりやすく、識別しやすくなる、これを精神物理学ではヴェーバー‐フェヒナーの法則」と言います。
 
フェルデンクライスはレントゲンで有名なキュリー夫人の研究所の職員だったくらいに優秀な物理学者であり、またヨーロッパで初の柔道の黒帯という稀有な経歴の持ち主だったので…当時の人としては斬新なアイディアが思いついたのでしょうね。

このモシェ・フェルデンクライスは本当に幅広い知識を持っていた人で、著書を読みますとあらゆる分野への造詣の深さに感心します。
 
さて、当院でも体操を指導する際には「頑張らないで」「頑張らないのを頑張って」「楽に動いて」と説明しているのはその様な理由からなのです。
頑張ってしまうと身体の微細な感覚は感じにくくなるからです。

分かりやすい例えを思いつきました!
皆さんはお腹が空いている時に自分の好きな食べ物が用意されていたなら、一気にがっつくように食べてしまうかもしれませんね。
私も大体そうです。

しかし、そのような時は食べ物の味なんて細かく感じ取る余裕は無いですよね?

お腹が少し空いてきたなぁ、という時にゆっくり味わいながら食事を取る時の方が、微細な味の感覚が分かるのではないでしょうか?

逆にちょっと分かりにくかったですかね?では、こういうのはどうでしょうか?

爆音のヘビメタを聞いている時に、スマホの着信音が鳴っても気付きませんよね?
でも、クラシックの会場にいる時にうっかり電源切り忘れたスマホが着信してしまったら会場中の人が気づきますよね?

まぁ、そんな感じですかね?
余り頑張って運動してしまうと、身体に起こる小さな変化に気づきにくくなります。
 
とはいえ、楽ちんにダラダラとやっても効果が出るという意味ではありません!
身体は楽しても、脳みそは頑張ってください!
今行っている運動の、身体の一つ一つの動きに100%集中するつもりで行ってください。

社会人の方なら分かると思いますが、何かしらお仕事をされているなら細かな違いを感じ取れる事がプロの要素の一つだと
例えば、僕は珈琲が大好きで「モカ」でも「シダモ」「イルガチェフェ」など産地により微妙に味や香りが違います。
また、珈琲って抽出する際の「お湯の温度」「抽出方法」などでも味や香りが変わります。
素人ならともかく、プロとなるとその違いが明確に分かっている事が重要になります。

つまり、皆さんが「自分の身体のケア」についてプロになろうとするなら、自分の身体の小さな変化に気づくのが第一歩になる訳です。
知識や技術は後の話になります。

だって、珈琲の知識や技術があったとしても、珈琲の味や香りの違いが分からないなら?

そして、微細な違いを感じ取ろうと訓練する時には外部からの刺激が少ない方が有利なのです。

なので、理想的には「楽に動く」こともですが「静かな環境」であったり、快適な空調であったり、照明であったり、外部の環境を整える事も大切になります。

今回は以上です。
最後までご覧になっていただきまして、誠にありがとうございました!
 
今回の参考文献

03-6805-9343
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