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「“踵重心で立て”は危険?実は踵重心なんて存在しない理由」
こんにちは


しかし、少し専門的な言葉も多かった事から「結局何が悪いの?」「どっちでも良いじゃん」と思った方もいらっしゃるかも知れませんね。

そこで、今回は中学生でも分かるレベルで説明したいと思います。

「踵重心で立ちましょう」

この言葉、実はかなり危険です。

なぜなら…
そもそも「踵に重心がある」という状態は
力学的に存在しないからです。

まず、そもそも「踵重心」という言葉が成り立つと以下のような事が説明不可能です。

私たちは自分の身体で移動する際には必ず「重心(体の重さの中心)」と「床反力作用点(歩行なら地面を蹴る足裏)」にズレが生じます。

つまり、歩く時には「重心」と「足裏の体重を感じる部位」の位置はズレます。

上のスライドは重心位置と床反力作用点の距離が遠い…
つまり、ズレが大きいほどに重心加速度が大きくなる事を示してます。

要するに…重心位置と床反力作用点が同じ場所なら、移動する事は出来ません!(いくら力が強くとも真上に飛ぶだけです)

という事は「踵重心」という言葉は間違いだと分かると思います、踵に重心なんてある訳ないです。

上のスライドが出てくる「姿勢と歩行スピードの関係」について、私が説明した動画はこちら↓



じゃあ、一般の方や一部の専門家(?)が言ってる「踵重心」とは何か?
前回のコラムでは少し忖度して「床反力作用点」もしくは「足圧中心」の事ではないか?と書きましたが

ぶっちゃけて言ってしまうと「自分が足裏で体重を感じてる部位」にすぎません。

というのも、足裏の「床反力作用点」や「足圧中心」というのは、実際には下の様な機器で計測します。



なぜ?このような機器を使って計測するのか?

それは簡単な理由です…人間の感覚が「いい加減」だからです。

だって、そう思いませんか?

つま先と踵にどちらに体重が掛かっているか?上の写真を見ても少し姿勢が変わっただけで全然変化してしまうのです。

正確に把握していると言える自信はありますか?

私個人としては、このような「主観的な指標」を評価に使う事は非常に危険だと思いますね。

具体的な例を出すと「踵重心ならこの運動して」とか、多くの専門家(?)という人がコラムや動画で紹介していますが…

それって言い方が厳しいかもですが、一般の方々に意図せず誤解を生んでしまうケースも多いです

そのような理由で私は専門家(?)の人達は言葉の定義をなるべく厳密に扱うべきだと私は思います。

ちなみに以下のようなケースも「踵重心」などと言う言葉では説明出来ません。


分かるでしょうか?

イスなどに座っている時には、そもそも重心は足裏に存在しません。

重心についての間違った概念を広めてしまうと、このような力学的な事実を説明する事が難しくなってしまいます。

「えっ!?僕は踵重心なんだけど、イスに座ったら足裏に重心が無いってどういう事」

となりますよね?

ちなみに上のスライドの元動画「身体重心位置と高齢者の転倒の関係」はこちら⇩


身体に関する力学を「生体力学(バイオメカニクス)」と言います。
バイオメカニクスはスポーツはもちろん、介護の現場などで身体に負担掛けずに作業をする知識として普及しています。

もちろん、一般の方が正しい身体の使い方を理解する為にも重要な知識です。

このような社会に有益な知識が正しく広まる為にも
専門家(?)は一般の方々が混乱し無いように配慮して、少し厳密に言葉を使った方が良いと思います。
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