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「歩き方に悩む日本人」と「歩き方を知らないマサイ族」

■「自転車に乗れる」けど「歩き方に自信がない」不思議

 

皆さんは自転車に乗れますか?

 

「当たり前でしょ?馬鹿にしてるの奥川さん?」

 

では、質問を変えますね。

今のご自分の自転車の乗り方は正しいと思っていますか?

 

「正しいに決まってるでしょ?だって、乗れてるんだから!何言ってるの黒縁メガネ!」

 

そう怒らないでください(;^_^A

 

では、自転車よりもっと簡単な運動について聞きますが…

皆さんはご自分の“歩き方”が正しいと思っていますか?

 

不思議なことに、自転車に乗るよりずっと簡単な「歩き方」に自信を持てる人はほとんどいません。

 

 

 

■なぜ歩き方は悩むのに、自転車の乗り方は悩まないのか?

 

本屋に行けば「正しい歩き方」「膝が痛くならない歩き方」といった本が並び、

YouTubeでも「歩き方講座」があふれています。

 

でも、「正しい自転車の乗り方」ってあまり見かけませんよね?

 

なぜでしょう。

それは、自転車に乗れるようになるまでの“過程”を覚えているからです。

一方で、歩けるようになるまでの過程を覚えている人はほとんどいません。

 

■身体を固めてバランスを取る──自転車と赤ちゃんの共通点

 

自転車を思い出してみてください。

最初はハンドルを握る手も、ペダルを漕ぐ足もガチガチ。

身体を固めるようにして必死にバランスを取っていました。

 

でも何度も転びながら、少しずつ体幹でバランスを取れるようになり、

余計な力が抜け、手足がスムーズに動くようになりました。

 

やがて、ハンドルでなく身体全体でバランスを取れるようになり、

ペダルも軽く回せるようになった時、「乗れてる」と実感できるようになります。

 

この流れを多くの人が覚えているため、

自転車の乗り方に疑問を持つことがないのだと思います。

 

■赤ちゃんの「歩けるようになる過程」も同じように出来ている

 

一方で、歩き方のほうはどうでしょう?

私たちは歩けるようになるまでの記憶を持っていません。

 

ですが、実際には赤ちゃんも自転車のように段階的に“歩く準備”をしています。

 

乳児はまず「仰向け」で体幹の屈筋群を鍛え

 

 

次に「うつ伏せ」で背筋群(伸展筋)を発達させていきます。

 

 

 

このうつ伏せ姿勢で抗重力的に背筋群が活動することで、

屈筋群と背筋群の前後バランスが取れ、

初めて「側臥位(横向き)」の姿勢を保てるようになります。

 

 

 

この時期、バランスを崩すと横に倒れてしまいますが、

やがて「寝返り」ができるようになります。

 

最初の寝返りは“ログロール”といって、

体全体を丸太のように固めて転がる動き。

 

 

 

しかし、「仰向け」「うつ伏せ」「側臥位」での練習を繰り返すうちに、

体幹のコントロールが上達して背骨の動きが細やかになり、

身体をねじりながら転がる“ひねりの寝返り”ができるようになります。

 

写真引用:写真で見る 乳児の運動発達 Lois Bily

 

この寝返りの段階で、「体軸内回旋(intra-axial rotation)」が可能になり、

身体の左右差を統合する“正中感覚”が芽生えます。

この正中感覚こそが、後の「垂直位姿勢」での体軸感覚の基盤となります。

 

つまり、寝返りは単なる転がる動作ではなく、

脊柱・骨盤・体幹の協調を学ぶ重要なフェーズなのです。

 

■人の歩行は“ハイガード”から始まる

 

その後、「腹ばい」「四つ這い」「高這い」「つかまり立ち」へと進み、

つかまり立ちで転倒しそうになった時に身体を支える反応が、歩行のはじまりです。

 

最初は全身を固めるようにしてバランスを取り、

背中を反らせ、手をバンザイするように歩く“ハイガード”という姿勢になります。

 

  

この段階では、姿勢保持を後背筋と臀筋群を中心とした後斜系アウターユニットに依存して行っています。

 

 

いわば、「固めて支える」スタイルです。

 

しかし、体幹の**インナーユニット(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋)**が機能し、重心コントロールが上達してくると、徐々にアウターユニットへの依存が減り、

脊柱を“分節的”にコントロールできるようになります。

 

この変化こそが「固めるバランス」から「しなやかに保つバランス」への転換点です。

 

■大人の体幹トレーニングも、実は“再学習”

 

当院の体幹トレーニングは、まさにこの乳児の「発育発達過程」を

なぞる順番で構成されています。

 

つまり、誰もが一度は経験した“身体の学び方”をもう一度やり直すイメージです。

一度100点を取ったテストを、もう一度解き直すようなもの。

 

だから脳が覚えやすく、成果が出やすいのです。

 

■「歩き方に悩まない人生」を取り戻そう

 

こうして当院の体幹トレーニングで人間に取って自然な順序で歩行をマスターした人は、そもそも「自分の歩き方が正しいのか?」と悩むことがありません。

 

自転車に乗れるようになる過程を覚えているから、自転車の乗り方に疑問を持たないのと似ています。

 

さて、世界で最も健康な脚を持つといわれる民族、アフリカのマサイ族。

彼らは1日に100km歩くこともありますが、

きっと「自分の歩き方が正しいのか?」なんて考えたこともないでしょう。

 

そもそも歩き方に悩む民族は私たち日本人くらいではないでしょうか?

 

ネットを見ても、書店に行っても、どこもかしこも健康情報があふれる日本では、

皮肉な事に歩き方に悩みながら生きている人がたくさんいます。

 

どちらが本当に幸せなんでしょうかね?

 

もし「歩き方に悩まない人生」を取り戻したいと感じたら、

当院で赤ちゃんのように自然な順番で歩き方を思い出す体験をしてみませんか?

 

当院のパーソナルトレーニングでは、その“再学習”を丁寧にサポートしています。

 

もちろん、歩き方は気にしてない、大丈夫と言う方も実施する価値はあります。

 

というのも、人間において「歩行動作」は全ての運動の土台になるからです。

 

簡単に言うと「歩くのしんどい人が楽に走れない」ですよね?

走るのがしんどい人はスポーツが上手になるでしょうか?

後の章でお話しますが「歩行動作」には体幹の「屈曲、伸展」「側屈」「回旋」といった全ての動きが入っています。

 

つまり、上手に歩ける事は体幹が上手に使える事の基盤になります。

勿論、その逆も然りですが…

 

また、近年のトレーニング理論では「パフォーマンスピラミッド」という概念があり(世界No1トレーナーのGray Cookが提唱)このピラミッドの土台部分は乳児の発育発達過程…つまり、赤ちゃんが一人で歩けるまでの課程で主に養われます。

 

土台が広がればピラミッドは安定します。

安定すればより高くピラミッド(パフォーマンス)を積みあげる事が出来ます。

 

つまり、腰痛、肩こり、膝痛で悩む方から一流アスリートまで…全ての人に当院のパーソナルトレーニングの内容はお勧め出来ると言う事なんです!

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