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セルフケアの本質
――師匠が教えてくれた、身体という一生の宝物
こんにちは!おくがわ整体院の奥川です。
本当は、今回のコラムをもう少し早くメルマガでお届けする予定でした。ただ、その前に皆さんへお伝えしておきたいことがいくつかあり、少し遅くなってしまいました。
お待たせしてしまいましたが、今日はようやく、この大切なテーマについてお話しさせていただきます。
今日は、ストレッチの方法でも、筋力トレーニングの話でもありません。
私が整体の道を歩むなかで、師匠から教わった、ある言葉についてお話ししたいと思います。
それは、今でも私の仕事の根底に流れている、大切な教えです。
師匠が教えてくれた、たった一つの言葉
かつて、私の整体の師匠が、こんなことを言いました。
とてもシンプルな言葉です。
当時の私が、この言葉の意味をどこまで理解していたのかは分かりません。
ただ、長年にわたって多くのお客様の身体に触れ、身体の仕組みを学び、施術や運動指導を続けてきた今、この言葉の重みを以前よりも感じるようになりました。
師匠は「お客様の身体を大切に扱いなさい」と言ったのではありません。
「お客様自身が、自分の身体を大切に扱えるように教えなさい」と言ったのです。
この二つは、似ているようで、実は大きく違います。
私たちは、身体にずいぶん無理をさせている
少し、想像してみてください。
あなたの大切な人が、毎日休むことなく、あなたのために働いてくれているとします。
朝、あなたが目覚める前から働き始め、仕事中も、食事中も、眠っている間さえも、あなたを支え続けている。疲れていても、文句ひとつ言わずに。
もし、そんな人がいたら、あなたは何と声をかけるでしょうか。
「いつもありがとう」「少し休んでね」
きっと、そんな言葉をかけたくなるのではないでしょうか。
ところが、私たちは自分の身体に対して、どうでしょう。
疲れていても、もう少し頑張れ。腰が痛くても、仕事があるから仕方ない。肩がこっても、忙しいから後回し。
そして、とうとう身体が思うように動かなくなると、「なんでこんなに身体が悪いんだろう」と、今度は身体を責めてしまう。
場合によっては、「怠けているから弱くなったんだ」と、無理な筋トレをして、あたかも罰を与えるように痛めつける人もいます。※うちの父親はそうやって身体を逆に壊していました(笑)。
でも、ちょっと考えてみてください。
心臓は動き続け、呼吸は繰り返され、傷ついた組織は修復され、私たちの知らないところで無数の生命活動が続いています。
その身体に、私たちはどれほど感謝してきたでしょうか。
身体は、交換できない宝物
私たちは、大切な時計や車、洋服には、ずいぶん気を遣います。汚れたら手入れをして、調子が悪ければ点検する。長く使いたいものほど、丁寧に扱います。
ところが、不思議なことに、最も長く付き合うはずの自分の身体には、案外無頓着です。
車なら買い替えることができます。時計なら修理や交換もできます。しかし、自分の身体はそうはいきません。
この身体で、初めて歩きました。
この身体で、大切な人と出会いました。
この身体で、仕事をして、笑って、ときには泣いて、今日まで生きてきました。
これから先も、好きな場所へ出かけたり、美味しいものを食べたり、大切な人と時間を過ごしたりするのは、この身体です。
身体を大切にすることは、単に健康を守ることではありません。
これからの自分の人生を、大切にすることなのだと思います。
セルフケアとは、自分の身体と対話すること
では、身体を宝物のように扱うとは、具体的にどういうことでしょうか。
毎日ストレッチをすること?筋力トレーニングをすること?もちろん、それらも役立つ場合があります。
でも、私はそれだけではないと思っています。
例えば、朝起きたときに、少し身体の感覚を確かめてみる。
今日は腰が軽いな。昨日より肩が動かしやすいな。最近、少し疲れがたまっているかな。
そんな小さな気づきからでいいのです。
身体に興味を持つ。身体の変化を観察する。そして、必要なら休ませたり、動かしたり、誰かの力を借りたりする。
セルフケアの本質は、何か特別な運動をすることよりも、まず自分の身体に関心を向けることにある。
私はそう考えています。
大切な人の小さな変化に気づくように、自分の身体の小さな変化にも気づいてあげる。それだけでも、身体との付き合い方は変わり始めるのではないでしょうか。
整体院は、身体を預けるだけの場所ではない
ここで、私自身の仕事についても少しお話しさせてください。
私は整体師として、お客様の身体に触れ、関節や筋肉の状態を調べ、必要に応じて施術や運動指導を行っています。
しかし、私がどれほど身体の勉強を重ねても、お客様の身体のすべてを理解できるわけではありません。
身体には一人ひとり違いがあり、その日の状態によっても反応は変わります。だからこそ、検査をし、動きを観察し、お客様のお話を聞くことを大切にしています。
そして、できることなら、お客様自身にもその変化を感じていただきたい。
「あれ、さっきより動きやすい」「こんなところが硬くなっていたんだ」「こう動かすと、身体が楽なんですね」
そんな発見を、一緒に積み重ねていきたいのです。
私が目指しているのは、単に施術を受けて楽になっていただくことだけではありません。
自分の身体を以前より理解し、大切にできるようになること。
それも、整体院が提供できる大きな価値だと思っています。
もちろん、身体の状態によっては専門的な医療が必要な場合もあります。何でも自分で解決することがセルフケアではありません。
必要なときに、適切な専門家の力を借りることも、自分の身体を大切にする行動の一つです。
私は、整体院に通う時間も、そんなセルフケアの一部であってほしいと思っています。
それは単なる身体の修理代ではなく、これからの人生をより心地よく過ごすために、自分自身へ向ける時間とお金。
自分の身体を知り、守り、育てるための投資。
そういう価値を提供できる整体院でありたいのです。
いつか、私の手が必要なくなっても
師匠の言葉を思い返すと、もう一つ大切なことに気づきます。
それは、私がいつまでもお客様のそばにいられるわけではない、ということです。
施術を受けていただくのは、人生のほんの短い時間です。それ以外の時間、お客様の身体と一緒にいるのは、お客様自身です。
だからこそ、私が本当にお伝えしたいことは、施術室の中だけで終わってほしくありません。
いつか、私の施術を受けなくなったとしても。
ふと疲れを感じたときに、自分の身体を気遣ってほしい。無理をしそうになったときに、少し立ち止まってほしい。
そして、身体が元気に動いてくれる何でもない一日に、ほんの少し喜びを感じてほしい。
そんな習慣が残ったなら、私は整体師として、とても嬉しく思います。
宝物を、次の誰かへ
もし、今日のお話を読んで、何か一つでも感じることがあったなら。ぜひ、あなたの大切な人にも伝えてあげてください。
家族でも、友人でも、職場の仲間でも構いません。
「自分の身体を、宝物みたいに大切にしてね」
そんな一言で十分です。
もしかすると、その人も毎日頑張りすぎて、自分の身体のことを後回しにしているかもしれません。
私が師匠から受け取った言葉を、今、こうして皆さんにお伝えしています。
そして、その言葉が皆さんから、また誰かへと伝わっていったなら。整体師として、これほど嬉しいことはありません。
技術は、いつか古くなるかもしれません。
知識も、科学の進歩とともに書き換えられていきます。
でも、自分の身体を大切にするという姿勢は、きっと何年経っても変わらない。
師匠が私に教えてくれたのは、単なるセルフケアの方法ではなく、そういうことだったのかもしれません。
最後に、もう一度だけ。
どうか、その身体を宝物のように大切にしてあげてください。
そして、これからも末永く、仲良く付き合っていきましょう。
おくがわ整体院
奥川洋二
おくがわ整体院





